持ち家VS賃貸、結局どっちがおすすめ?FPが徹底比較 | ファイナンシャルプランナー相談はマネープランナーズ

持ち家VS賃貸、結局どっちがおすすめ?FPが徹底比較

小峰 一真
  • マネー

転居や結婚、出産といったライフステージの変化を機に、住宅を持ち家にするのか、あるいは賃貸で住み続けるのか、考える方も多いのではないでしょうか?どちらを選択するかは、それぞれのメリット・デメリットを踏まえた上で、ライフプランに応じて総合的に考える必要があります。
今回は、持ち家と賃貸のメリット・デメリットについて解説していきます。

持ち家VS賃貸、悩みは多い

持ち家と賃貸で悩まれる方は、非常に多いです。

持ち家の場合は、マンションか戸建てによって固定資産税や修繕費用に少し差はありますが、主に住宅ローンを返済しながら、固定資産税などの税金や、火災保険料などを支払っていきます。

一方で、賃貸の場合、基本的に支払うのは「家賃」です。それ以外に、お部屋を借りるときに支払う敷金や礼金、契約期間を更新して住む場合の更新料といった費用負担があります。費用の面で、持ち家と比較した時に、税金や修繕費といった負担はありませんが、賃貸で住み続ける限り、家賃の負担は続くため、生涯にわたって大きな負担になりやすいです。

持ち家を購入する場合、住宅購入費の一部もしくは全額を住宅ローンを利用して、購入される方が多いです。住宅ローンを利用して購入する場合、持ち家と賃貸の一番大きな違いは、「住宅ローンの有無」です。完済すれば、一般的に毎月の住宅にかかるコストは賃貸より安くなりますが、注意しなければならないのは返済中に支払いができなくなってしまった場合です。例えば、子供の教育費が想定より大きくなってしまった場合や、世帯の収入が減少してしまった場合などが挙げられます。持ち家の場合は特に、住まい以外に、何にいくらお金が必要なのか、把握した上で、購入することが非常に大切です。

持ち家VS賃貸それぞれのメリット・デメリットを整理してみよう

持ち家と賃貸を比較検討する上で、それぞれのメリット・デメリットを整理しましょう。どの要素を重視するかは、ライフプランや住まいに対しての考え方によって変わってきます。

持ち家のメリット

持ち家のメリットは大きく2つです。

「住宅ローン完済後、経済的な負担が減ること」
ローン完済後は毎月の負担がなくなり、固定資産税や修繕費の負担だけで住み続けることができます。30歳で住宅購入をして35年ローンを組んだ場合、65歳でローンの返済が終わるため、老後の経済的な負担を下げることができます。また、ローンの返済が定年後まで続く場合でも、繰り上げ返済をすることで、完済時期を前倒しにすることが可能です。ローン完済後は、住宅コストの負担が軽減され、持ち家がひとつの資産になる点が持ち家の最大のメリットです。

「ご家族の好みに合った物件に住めること」
購入後、物件内はご家族の好みに合ったかたちでリフォームができ、住みやすい空間に仕上げることができます。また、注文住宅であれば、購入時に一からご家族好みの家を建てることができます。マンションの場合は専有部分しかリフォームはできませんが、賃貸に比べると自由度は圧倒的に高いです。家族構成やライフステージの変化に合わせた暮らし方ができるのがメリットです。

持ち家のデメリット

持ち家のデメリットも2つあります。
ひとつは、「転居が難しいこと」です。途中で売却や賃貸に出すという方法もありますが、住宅ローンの残債が売却価格を上回ってしまい、残債を支払わなければならない場合や、賃貸でなかなか借り手が見つからないといった場合もあります。

「居住費を下げられないこと」
賃貸の場合は、ご家族構成や家計の変化に応じて、家賃が高いと感じるようになったら、安い賃貸の文献に住み替えることができますが、持ち家の場合は、毎月一定の金額を住宅ローンとして返済し続ける必要があります。

賃貸のメリット

賃貸のメリットを2つ解説します。

「転居がしやすいこと」
「子供が大きくなって部屋が手狭になったからもう少し広い家に住みたい」「家計の変化があって家賃を安くしたい」と考えたときに、賃貸であれば、今のご家族に合った物件に住み替えることができます。またご近所トラブルがあったときも引っ越すことで問題を解決できます。

「建物や設備の修理やメンテナンス費用の負担が少ないこと」
賃貸物件は大家の所有物であるため、建物や設備の修理やメンテナンスは入居者が行う必要はありません。建物の設備はもちろん、備え付けのエアコンなどが壊れた場合も、重大な過失がなければ大家負担で修繕ができます。毎月家賃と一緒に管理費や修繕積立金を支払う必要はありますが、急な支出を避けられる点で、メリットがあります。

賃貸のデメリット

賃貸のデメリットは、2つです。

「生涯にわたって家賃を支払う必要があること」
年金が主な収入減になる老後のご生活では、一般的に毎月の家賃負担が重くなりやすいです。収入が少ない場合には、引っ越しをすることも難しくなります。

「間取りや設備を自由に決められないこと」
賃貸物件は大家次第であるため、借主が自由に間取りや設備を変更することはできません。「ネット環境がない」「コンセントが足りない」といった生活する上で不便を感じることがあっても、我慢する必要が出てくる場合があります。

結局どっちがおすすめ

持ち家と賃貸で経済的なコストだけを考えると、一般的には、一生涯家賃を払っていく賃貸のご生活に比べ、住宅ローン完済後、住宅コストの負担が少なくなる持ち家の方がお得です。ただし、住宅ローンの金額や借入時の金利など諸条件によって異なる場合もあります。ライフプランによって考え方は様々なので、判断が難しいとこですが、持ち家と賃貸、それぞれどんな人が向いているのかを解説します。

賃貸がおすすめの人

賃貸がおすすめの人は、「ライフプランが定まっていない人」です。賃貸の場合、ライフプランの変化にあわせて引っ越すこともでき、ライフプランが定まったタイミングで、持ち家を購入することもできます。

持ち家がおすすめの人

持ち家がおすすめの人は、「ライフプランが決まっている人」です。転勤や転職など生活拠点が大きく変化する可能性が低い方は、ライフプランに大きな変更が考えにくく、住宅ローン完済後は、持ち家はそのまま資産にもなるため、持ち家のメリットを享受できます。

まとめ

持ち家と賃貸は、それぞれにメリット・デメリットがあり、人それぞれライフプランや考え方が異なるため、一概にどちらが良いとは言えません。持ち家と賃貸、どちらの場合も住宅コスト以外で、将来なにでいくらお金が必要になるのか、把握するためにライフプランが非常に大切になります。持ち家を検討されている方は、ライフプランによってご予算が変わり、賃貸の場合でも毎月いくらぐらいの家賃負担が家計に合っているのか、今後持ち家を購入する場合には、どの時期がいいのかといった計画がライフプランによって変わるからです。住宅の相談と合わせて、ライフプランについても、一度ファイナンシャルプランナーに相談をしてみましょう。

この記事を執筆したファイナンシャルプランナー紹介

小峰一真(こみねかずま)

2級FP技能士/証券外務員2種/住宅ローンアドバイザー| 明治大学政治経済学部卒業

大手国内証券会社、外資系保険会社を経て、前職では独立系FP事務所に創業から携わっていました。資金計画作成、住宅購入相談、資産運用、保険相談など全般的に得意で、セミナー講師も担当しています。趣味はゴルフと読書、スポーツ観戦(横浜Fマリノス、明治大学ラグビー部を応援!)です。

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