金利上昇始まる?住宅ローンは繰り上げ返済と借り換えどっちがお得?

小峰 一真
  • マネー

米国の金利引き上げを背景に、日本の住宅ローンの金利上昇が始まろうとしています。多くの方にとって、金利上昇による返済額の増加は、大きな負担になる事は間違いありません。しかし、借入条件を正しく見直す事が出来れば、負担を最小限に押さえる事も出来ます。今回は、住宅ローンの金利上昇に備え、見直す方法として、繰り上げ返済と借り換えどっちがお得?という事を紹介していきます。

住宅ローンの金利上昇が始まっている

大手銀行で、10年間金利が固定されるタイプの基準金利を、0.1ポイント以上引き上げる事が公表されました。

参照:大手銀行が住宅ローン金利引き上げへ “借り換え検討”も増加

冒頭で触れましたが、この金利の引き上げの背景にある一番の要因が、米国の長期金利(10年国債)の上昇です。日本の長期金利(10年国債)もこの影響を受け上昇し、長期金利(10年国債)をベースに決められている住宅ローンの固定金利にも影響を与えています。

一方で、長期金利(10年国債)を基準としていない、変動型金利の上昇は現在確認されていません。しかし、住宅ローンを借りている人の中には、固定金利上昇の煽りを懸念し、繰り上げ返済や借り入れの検討を行う人が確実に多くなっています。

住宅ローンの負担が増える

それではここで、金利上昇に伴い毎月の住宅ローンの返済負担が増えることをシミュレーションを使って説明してみましょう。

・シミュレーション内容

【5年前に5000万円を35年、0.5%で借りた人が0.5%上がるとどうなるか】
ここで比較しているのは、35年間一定の金利で返済を続ける場合と、返済開始5年後に金利が0.5%上昇した場合の総利息額です。この両者を比較すると総利息の差は後者の方が350万程多くなる事が分かります。
・シミュレーション概要
①当初5年間年間返済額(金利0.5%):1,557,504円
②6年目以降年間返済額(金利1%):1,674,372円
③①②の差額(年間返済差額):116,868円
④③×30年(支払い残年数):3,506,040円
(参照元:住宅金融支援機構・シミュレーション)

このシミュレーションから分かる事は、金利がたった0.5%上昇しただけでも、350万程の利息が上乗せされるという事です。金利の上昇は0.1%でも侮る事ができず、対策を打たなければ、住宅ローンの負担が増える事は避けられません。そのため、冒頭でも触れたように金利上昇による住宅ローンの負担を減らすには、繰り上げ返済や借り換えを検討することが、多くの人にとって必須事項と言えます。

住宅ローンの金利上昇が心配なら繰り上げ返済や借り換えという方法がある

何度も触れてきたように。住宅ローンの金利上昇が心配なら、繰り上げ返済や借り入れという方法があります。この2つは、住宅ローンの負担を最大限減らす方法として、誰でも実践しやすい手法です。次の章でこの2つの手法を、詳しく説明しますので、参考にしてください。

繰り上げ返済とは

まず最初に繰り上げ返済の説明をします。繰り上げ返済とは、将来返済する予定だった元金の一部を、手元の余剰資金を利用して繰り上げて返済する方法です。

この手法の大きなメリットは、元金の一部を一括返済することで、本来返済に掛かってくる利息負担を減額できる点にあります。更に元金の一部を一括返済した後、債権者の判断で毎月の返済額を変えずに完済予定日を早める「期間短縮型」と、完済予定日を変えずに毎月の返済額を減額する「返済額軽減型」を選べるという点も大きな特徴です。

この2つの選択肢があることにより、住宅ローンを借りている人のライフプランに合わせた返済額に調整する事が可能になります。

借り換えとは

次に借り換えについて説明します。借り換えとは、現在利用している金融機関の住宅ローンを、より金利の低い金融機関の住宅ローンを借りて一括返済する方法です。住宅ローンは他のローンと比べて、比較的金利が低く設定されていますが、借り入れ金額が多いため、僅かな金利の差で返済額が大きく変わってきます。そのため、借り換えをする事で数十万円から数百万円の返済額を減らす事が出来る点が大きなメリットです。借り換えでは金融機関を変更するため、諸費用が掛かる事もあります。しかし返済総額を計算する事で、今後の人生の計画が立てやすくなります。

どっちがお得?

ここまで説明した通り、繰り上げ返済も借り換えも住宅ローンの返済額を減らす方法としては、有効な手段です。

手軽さで言えば繰り上げ返済が有利ですが、利息軽減の効果という点では借り換えしたほうが有利になるケースもあります。引用:ナビナビ「借り換え」or「繰り上げ返済」住宅ローンをお得に見直すための具体的な比較

しかし、利用している住宅ローンの形態が固定金利か変動金利か、どのような家族形態なのか、その時世の金利、利用している金融機関、返済年数などによって変わってくることを忘れてはいけません。この点を考慮せずに表面的な情報だけで判断すると、逆に大きな損失を生み出すこともあるので注意が必要です。

まとめ

ここまでの説明で分かった通り、金利が上がるという事に対して悲観的になっているだけでは状況は悪くなるばかりです。自分自身の状況とライフプランを考え、行動することが大切になってきます。
その手段として、今回紹介した繰り上げ返済と借り換えの二つの手法を念頭に、行動してみてください。そうする事で、今以上に経済的な豊かさを手に入れる事ができ、理想の人生を歩きはじめるきっかけにもなります。一方で住宅ローンは金利も含め、様々な要因や事象が影響を及ぼし合っているため、僅かな知識や理解で行動すると、より状況が悪化することが多いです。もし、その状況を可能な限り避けたい場合は、金融のプロであるファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。特に金利の計算は、一般の人にとって優しいものではありません。自信がない人はファイナンシャルプランナーの無料相談から始めてみてください。

この記事を執筆したカウンセラー紹介

小峰一真(こみねかずま)
2級FP技能士/証券外務員2種/住宅ローンアドバイザー| 明治大学政治経済学部卒業

大手国内証券会社、外資系保険会社を経て、前職では独立系FP事務所に創業から携わっていました。資金計画作成、住宅購入相談、資産運用、保険相談など全般的に得意で、セミナー講師も担当しています。趣味はゴルフと読書、スポーツ観戦(横浜Fマリノス、明治大学ラグビー部を応援!)です。

〇関連記事
FPが講師をする不動産投資セミナーに参加して得られる3つのメリットを紹介します

40代独身女子必見!「賃貸VS購入」本当にお得な方法をファイナンシャルプランナーが解説

カウンセリング相談