新車VSカーリース、どっちがお得?ファイナンシャルプランナーが徹底解説 | ファイナンシャルプランナー相談はマネープランナーズ

新車VSカーリース、どっちがお得?ファイナンシャルプランナーが徹底解説

小峰 一真
  • マネー

車が欲しいと思っている人の中には、新車を購入するかカーリースを契約するか迷っている人は多いと思います。どうせならお得な方を選択したいですよね。しかし、状況によって新車とカーリースのどちらがお得かは変ってくるので、しっかりと比較検討する必要があります。この記事では、新車とカーリース契約のどちらがお得になるかを、ファイナンシャルプランナーが徹底解説しますので、参考にしてください。

新車VSカーリースの比較ポイント

新車購入とカーリース利用のどちらがお得になるのかは、比較ポイントを抑えた上で検討することが重要になります。

その理由は所有したい車、使える費用など、その人の状況によって結果が変ってくるからです。この章では、数ある比較ポイントの中でも、より大切な2つのポイントから新車とカーリースを比較しますので、参考にしてください。

購入時のコスト

まず最初の比較ポイントは誰もが気になる、購入時のコストです。購入時一点だけを考えれば、圧倒的にカーリースの方が費用は安く抑えられます。初期費用も含めて、代表的な必要費用を記載しますので是非参考にしてください。

【購入時コスト】

◆新車
〇頭金
 ローン購入時のみ。現金一括購入であれば車体代
〇税金
 自動車を購入した時に掛かる自動車税,商品としての車に対しての消費税
〇自賠責保険
 全ての自動車に加入義務のある保険
〇任意保険
 車両保険・自損事故保険・搭乗者傷害保険など任意で加入する保険
〇リサイクル料
 廃車時に支払う費用の前払い金
〇納車費用
 新車を所定の場所まで運ぶ費用(店舗受け取りは不要)
〇ナンバープレート取得費用
 所有エリアで必要なナンバープレート発行費用

◆カーリース
〇月額リース料
 初月分のリース代

※参照
カーリースの総額は高い?購入と比較した支払総額を詳しくシミュレーション | おトクにマイカー 定額カルモくん (carmo-kun.jp)

一般的に普通乗用車で新車購入時に掛かる初期費用は車体価格の10%〜20%、カーリース月額リース料は43,000円と言われています。それを踏まえてこれら項目を比較すると、カーリースの方が安く車に乗り始められるのは言うまでもありません。一方で、カーリースの月額料金は新車で必要になってくる初期費用に加え、残価(契約満了時の想定下取り価格)を分割した金額が含まれています。

そのため、初期費用としては圧倒的に安いカーリースですが、契約満了時の総支払額を算出した上で新車購入と比較するようにしてください。

例えば、一般的にカーリース契約は3年〜5年といわれています。もし平均月額リース料43,000円で5年間借り続けると、総額で258万円必要になります。
一方で普通乗用車の、平均購入費用は200万円〜300万円程ですので、購入する車の種類や自動車ローン借入の有無によっては、カーリースの方が高額になってしまう事も珍しくありません。

購入時に掛かるコストだけでカーリースを選択してしまうと、最終的に新車購入の方がお得だったという事もあるので、注意が必要です。

維持費

次に新車購入後やリース中に必要になってくる、維持費を比較してみましょう。

【維持費】
◆新車
〇ローン返済
 分割返済で自動車ローンを借りている場合
〇車検費用
 新車は3年、それ以降は2年単位で必要になってる費用
〇定期点検費用
 メンテナンスや消耗品の交換費用等

◆カーリース
〇月額リース料
 契約時に定められたリース料(プランによって変動)

この他にもガソリン代や駐車場代も車の維持には掛かってきますが、変動費用かつどちらにも掛かってくるお金のため、ここでは比較対象としていません。
それを踏まえて、比較すると項目的にはカーリースの方が一見維持費を抑えられるように感じます。

しかし、購入時コストと同じように新車に掛かってくる費用項目を含めた分割分が、リース料に反映されているため、確実に費用算出をして比較することがポイント
です。

毎月掛かってくる費用である、ローン返済額とリース料金が「維持費の差の目安」
となる事が多いので、その点を注意した上で比較してください。

比較ポイントが分かったところで、最後に新車とカーリース契約のメリットデメリットを紹介していきます。ぜひ違った観点から比較してみてください。

新車ののメリット

新車購入の最大のメリットと言えるのが、購入した車は自分の所有車になるという事です。自分の車ですので、購入時から好みの車を選ぶことや、購入後に理想の車体にカスタマイズする事も可能で、走行距離に関しても購入者の自由です。
走行距離やカスタマイズに対して、制限が掛けられることの多いカーリースと比較すると、この点は大きなメリットと言えるでしょう。

また、新車購入後にはエコカー減税を受けられるなど、税金面での優遇がある事も忘れてはいけません。

新車のデメリット

新車のデメリットとして挙げられるのが、購入費用が高くついてしまうという事です。上述した通り銀行からローンを借りた場合でも、頭金として車体価格の10%〜20%が必要となるため、数十万円のまとまった現金が必要となります。

また、ローン審査やディーラーとの交渉など、購入と納車までの時間が掛かってしまう事も一つのデメリットと言えるでしょう。

カーリースのメリット

次にカーリースのメリットを紹介すると、初期費用が安く抑えられるという点が一番大きいと言えます。新車のように数十万円の現金が必要ないため、比較的容易にリース契約を結ぶことが可能です。

また、ローン審査が無い事に加え、新車取得にかかる実務は全てリース会社が担ってくれているため、実際にリース車に乗れるまでの時間が早い事も一つのメリットと言えるでしょう。

カーリースのデメリット

最後にカーリースのデメリットを伝えると、車が自分の所有者ではなくリース車であるため、余計な費用が掛かってしまう事があるという点です。途中解約で違約金が発生したり、走行距離に制限があるなど、条件付きリース契約が多くなっています。また、基本的には契約満了時の返却は原状復帰となるため、返却時に追加費用が発生することも珍しくありません。

また、乗りたい車があってもリース会社の車のラインナップにその車が無ければ、選択できないという不自由さも一つのデメリットと言えるでしょう。

まとめ

ここまで説明した通り、費用的な観点から見るとカーリースの方がお得に感じるはずです。しかし、実際には総額で掛かる費用に加えそれぞれのメリットデメリットを、しっかりと比較検討しなければ、どちらが本当にお得かは見えて来ません

今回紹介した内容を参考にすることで、新車購入かカーリース契約どちらが本当にお得なのかについて、より明確な答えが見えてくるのでぜひこの記事の内容を参考にしてみてください。
自分自身で判断する自信がない方は、生活とお金のプロフェッショナルであるファイナンシャルプランナーへの相談をおすすめします。

この記事を執筆したファイナンシャルプランナー紹介

小峰一真(こみねかずま)

2級FP技能士/証券外務員2種/住宅ローンアドバイザー| 明治大学政治経済学部卒業

大手国内証券会社、外資系保険会社を経て、前職では独立系FP事務所に創業から携わっていました。資金計画作成、住宅購入相談、資産運用、保険相談など全般的に得意で、セミナー講師も担当しています。趣味はゴルフと読書、スポーツ観戦(横浜Fマリノス、明治大学ラグビー部を応援!)です。

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