円安ドル高が進む理由をファイナンシャルプランナーが解説します | ファイナンシャルプランナー相談はマネープランナーズ

円安ドル高が進む理由をファイナンシャルプランナーが解説します

小峰一真
  • マネー

2022年6月「20年ぶりに1ドル130円台」という円安を記録しました。普段、円やドルの為替相場に関心が薄い人たちも、ニュースで目にする機会が増えていることでしょう。円安ドル高が進む状態は、インフレという形で私たちの生活に影響を及ぼすため、全ての人たちにとってその理由を知る事は大切になります。この記事では、円安ドル高が進む理由をファイナンシャルプランナーが解説しますので、ご参考ください。

為替相場とは

円安ドル高の理由を知るにあたって、まずは為替相場について理解する必要があります。ここでは、この言葉を為替と相場に分けて分かりやすく説明するので、参考にしてください。

【為替と相場】
〇為替:一般的に使われる為替とは、異国間の通貨を交換する事。(外国為替と呼ばれる)
〇相場:為替相場で使われる相場とは、異国間の通貨を交換する際の比率の事。(レートと呼ばれる)

この二つの言葉の組み合わせから分かるように、為替相場とは異国間の通貨の交換比率の事を言います。

私たちがニュースなどで良く目にする「1ドル=125円10銭」という言葉は、ドル(米国)と円(日本)の為替相場について説明しているのです。毎日のニュースで円とドルの相場が伝えられているように、ドルと円の為替相場は日々変動するもので、私たちの生活に密接に関わっています。

円/ドルレート

円とドルの為替相場、いわゆるレートはどうやって決まるのでしょうか。

それを理解するために、ここで為替相場の仕組みについて説明しますので、確認してください。
為替という言葉に馴染みのない人にとっては、難しそうに感じる為替市場ですが、その仕組みは決して難しいものではありません。

私たちが普段の生活で購入するモノと同じように、通貨にも買い手と売り手が存在し、その両者の需要と供給のバランスでレートが決定します。

為替市場に登場する、売り手と買い手とは各国の通貨の相場から、利益を狙う投資家の事を指します。それを踏まえて、円とドルのレートについて説明すると以下の通りです。
ドルを円に交換する人が多ければ、円の価値が高くなる円高にレートは触れ、逆の場合は円の価値が安くなる円安にレートが触れるという事です。

簡単に数字で説明すると、1ドル=50円という円高のレートであれば、100円で2ドルと交換することができ、反対に1ドル=150円という円安のレートであれば2ドルと交換するには300円必要になります。この円とドルの交換比率(レート)を確認することで、円の価値が高いのか安いのかを判断することが出来るのです。

為替市場では、日々通貨の売買が行われており、円とドルのレートも常に変化しています。

なぜ変動するのか?

為替相場がなぜ日々変動し、通貨の価値が上下するのかを、ここでは少し踏み込んで解説します。

為替相場が変動する背景は、国際情勢も絡むため一概には言えませんが、一般的には、各国の国力や金利差によって変動することが多いです。

【為替相場が変動する理由】
①国力
通貨の信用度は国力(経済・政治・国民性などの総合要素)によって判断される事が多い。そのため、経済活動や戦争などで、国力のバランスが崩れる事によって通貨の信用度が変わり為替相場の変動を引き起こす。

※世界各国の中でも国外に資産を多く保有している日本は、経済的な信用度が高く、円に対する安全性も評価されています。

②金利差
世界中の多くの投資家たちは投資から得られる利益を最大化するために、金利の高い国の通貨を買い、その国の金融商品(低リスクな長期国債など)に投資をするようになる。結果、通貨の需給バランス変動に繋がる。

このように、国力と各国の金利差による通貨の需給バランスの変動によって、為替相場は日々変動しています。

円安ドル高の理由

冒頭でも触れたように、現在は20年ぶりに「1ドル=130円台」を記録するほどの円安市場です。この現在の円安ドル高の最大の理由は、米国の長期金利(10年国債)の上昇にあります。その背景を簡単に説明しますので、確認してみてください。

米国・日本では2020年3月からコロナ禍で落ち込んでいた経済活動を立て直すため超低金利政策を実施してきました。その結果、米国では経済活動が活発化し、賃金や物価が上昇し始めます。しかし、2022年現在、その急激な物価上昇を止めようと長期金利を引き上げる政策へと舵を取り始めました。

対する日本では超低金利政策の中でも、米国のように経済活動が立ち直らず、現在でも同様の政策がが実施されています。

そのため、上述したように投資家の中で、金利の安い円を金利の高いドルに交換し投資を行う動きが大きくなり、その結果現在の円安ドル高が引き起こされてしまったのです。

日常生活への影響

多くの商品を輸入に頼っている日本にとって、円の価値が下がる円安は私たちの日常生活へ大きな影響を及ぼします。例えばこれまで、100円で購入できていた米国のチョコレート1枚が130円無ければ手に入らないような状況になるからです。これを日常生活に欠かせない、ガソリンやティッシュ、食料品に置き換えて考えると生活への影響力を、想像するのは難しくないでしょう。

現に、ガソリン、食品メーカー、製紙メーカー、コンビニチェーンなどは軒並み値上げを発表しています。このような物価が上がり続ける物価高の状態では、無防備にお金を使い続けていると、気付かぬうちに生活苦に陥ってしまうのです。

まとめ

ここまで説明してきた通り、円安ドル高の影響で物価が上がり続ける物価高の状態では、生活に掛かるコストが上昇し、日常生活を送る事が厳しくなっていきます

その状態を打開するためにも、なぜ円安ドル高が引き起こされているのかを、把握した上で適切な対策を取る事が大切です。

また、今回紹介した為替相場の動きを正確にとらえる事が出来れば、自分自身の経済活動を豊かにする事が出来ますので、ぜひ上述の内容を参考にしてみてください。

現代の円安ドル高への対策や、今後の社会情勢に合わせたお金の使い方について自信が無い方は、金融のプロであるファイナンシャルプランナーへ相談することをおすすめします。

この記事を執筆したカウンセラー紹介

小峰一真(こみねかずま)

2級FP技能士/証券外務員2種/住宅ローンアドバイザー| 明治大学政治経済学部卒業

大手国内証券会社、外資系保険会社を経て、前職では独立系FP事務所に創業から携わっていました。資金計画作成、住宅購入相談、資産運用、保険相談など全般的に得意で、セミナー講師も担当しています。趣味はゴルフと読書、スポーツ観戦(横浜Fマリノス、明治大学ラグビー部を応援!)です。

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