普段と変わらないお金の使い方で生活してるはずが、貯金が増えない、家計が苦しくなっていると感じている人も多くいるのではないでしょうか。その理由は、持続的に物の値段が高くなっていくインフレが起こっている事にあります。収入が上がっても、それ以上に家計の支出額が自然と増えてしまうインフレ下ではしっかりとした家計管理が欠かせません。今回の記事では、物価高に負けない家計管理方法をFPが紹介しますので、参考にしてください。
漠然と物価の上昇を感じる中で、具体的に何がどれくらい上がっているのかをしっかりと整理する時間が、ない人もいると思います。
家計管理を行う上では、どの物の価格が高くなっているのかを把握することが大切になるので、ここで紹介する実例を参考にしてみてください。
【価格が上がっている物】
〇ガソリン
13年ぶりに170円台を記録するなど、直近2年間で価格が上昇し続けている
〇光熱費
ガソリンなどのエネルギー高の影響で、光熱費も値上がりを続けており、特に2022年度の大手電力会社の値上げ幅、過去5年で最大となっている
〇小麦
生活に欠かせない食品として、政府が販売価格を決めている小麦も前年比で17.3%上昇している
生活必需品の中で、値上がりが顕著な3つを紹介しました。
この他にも、醤油やマヨネーズなどの調味料や、ティッシュやトイレットペーパーなどの日用品の多くも、値上がりしています。
実際に価格が上昇している物の実例から分かるように、現在の物価高は家計に与える影響が大きいです。
特に、光熱費などは生活をする中での固定費ですので、家計を圧迫する最大の要因といえます。また、普通乗用車のガソリンを満タンにした時の価格は、2020年と比較すると2,000円程度高くなっています。
そのため、車が生活必需品となるエリアに住んでいる人にとっては、家計への打撃は計り知れません。
他にも、大手コンビニチェーンの弁当や麺類・パン類の2%〜15%値上げ、大手製紙メーカーのティッシュ等の10%〜15%の値上げの実施など、私たちの生活に身近な商品の価格も上がり続けています。
【2022年】値上げ食料品・飲食店・日用品・ガソリン・光熱費など1年間の打撃を算出
生活に身近な商品の価格が上がっている事の、家計に与える影響の大きさは言うまでもありません。
例え収入が増えても。更に支出が増えていく状況に陥るので、物価高に勝つためには上手な家計管理が重要です。家計管理とは家計における収入と支出を把握し、マイナスのフローにならないように、生活のバランスを取りながら管理することを言います。
一見簡単そうに見える家計管理ですが、漠然と行っているだけでは長期的に継続する事は難しいです。この章では、家計管理を上手に行うためのルールや、コツについて紹介するので、参考にしてください。
上手な家計管理を行っていくにあたって、まず大切になってくるのは予算を決める事です。予算とは、生活の中で何にどれくらいのお金を使うかを事前に計画を立てるとういう事です。
例えば旅行に行く場合、ある程度計画が無ければ旅先で迷ってしまいますよね。それと同じように、家計でも予算が決まっていない状態では、お金の使い方に迷ってしまうので支出を管理することは不可能です。
そうならないためにも、月毎に必要な生活費を一度洗い出し、どれくらいお金が必要になるのかを事前に計画を立ててみましょう。
小学生が2人いる4人家族の、予算決めの例を紹介してみますので参考にしてください。
【月の予算決め例】
◆夫婦手取り手取り:50万円
◆月の支出:40万円※内訳は以下の通り
・食費:10万円(25,000円/人)
・水道光熱費:3万
・教育費:3万
・家事用品:1万
・交際費:2万
・交通費:2万
・衣類代:1万
・保険等:2万
・趣味娯楽費:3万
・雑費:3万
・住宅ローン:10万
・将来の積み立て:5万
◆収支合計:+10万円
生活スタイルは人それぞれですので、一概に言えませんがこのように事前にお金の使い道を決めておくだけでも、家計管理に役立ちます。
なぜかというと、予算内での効率的なお金の使い方を考えるようになる事に加え、感情的に物を購入してしまうという支出の無駄を減らすことが出来るからです。仮に予算を決めずに、生活を行ってしまうと本来必要のない部分での支出が増え、家計が苦しくなってしまう可能性が高まります。
予算決めを行う際のコツとしては、少々タイトな予算を設定する事です。そうしておけば、計画通りに行かず支出が増えた場合でも、家計への打撃を抑える事が出来るでしょう。
予算が決まったら、次はその予算内で毎月の生活の収支をコントロールする事が大切です。従来家計の収支を管理するにあたって、有効的に活用されている方法が家計簿をつける事です。家計簿では、収入と支出を都度記録しておくことで、常に予算を意識したお金の使い方が出来るというメリットがあります。
家計簿を付けるにあたっては、アプリを活用する事がおすすめです。
家計簿アプリの中には、レシートの写真を撮るだけで支出を保存し計算してくれたり、クレジットカードと連動しているものなど便利なものが多く、簡単に家計管理を行えます。
また、ほとんどのアプリで収支の課目設定(食費・光熱費)が行えるため、家計の中でのお金の使い方が、簡単に把握することができます。
そうすることで、お金の使い方の癖などに気付く事が出来るため、長期的に見て家計を改善していけるというメリットがあります。
家計簿アプリは簡易的で無料なものが多く、どんな人でも簡単に活用できるのでぜひ試してみてください。
クレジットカードやスマホ決済などに付与されるポイント還元を活用する方法も、上手な家計管理にはお勧めです。
数年前からキャッシュレス決済が主流となっており、多くの企業でもポイント還元を促進しています。例えば、100円の物を購入する際にキャッシュレス決済を行えば1ポイント還元されると、現金で購入するよりお得です。1ポイント=1円の還元であっても、日用品など常に必要となる物であれば、ポイントが貯まっていくスピードも早いでしょう。
ポイント還元を含めた予算決めをすれば、その分家計に余裕が生まれる事は言うまでもありません。
一方で、ポイントが貯まるからといって無駄な買い物をしてしまうと本末転倒ですので、注意してください。
物価高に負けない家計管理をするためには、まず毎月赤字を出さないための予算を決め、次に予算内で生活できるよう家計簿アプリを活用し、+αでポイント還元を活用することが大切だという事を説明してきました。
物価高の現代ではお金の使い方に無防備な状態で、生活をしているといつの間にか家計は苦しくなってしまいます。そうならないためにも、今回紹介した家計管理法をぜひ実践してみてください。
自分だけで家計管理を行う事が、不安な人はFPへの無料相談を活用してみる事もおすすめします。
小峰一真(こみねかずま)
2級FP技能士/証券外務員2種/住宅ローンアドバイザー| 明治大学政治経済学部卒業
大手国内証券会社、外資系保険会社を経て、前職では独立系FP事務所に創業から携わっていました。資金計画作成、住宅購入相談、資産運用、保険相談など全般的に得意で、セミナー講師も担当しています。趣味はゴルフと読書、スポーツ観戦(横浜Fマリノス、明治大学ラグビー部を応援!)です。