【住宅ローン】変動金利の上昇リスクを抑える賢い方法 | ファイナンシャルプランナー相談はマネープランナーズ

【住宅ローン】変動金利の上昇リスクを抑える賢い方法

小峰 一真
  • マネー

人生で一番大きな買い物と呼ばれるマイホームを買う時に、多く活用されるのが住宅ローンの借入ではないでしょうか。一般的に住宅ローンの金利は、固定型、変動型の2つのタイプがあります。近年は変動金利が人気ですが、その理由を踏まえて検討することが必要です。そうすることで返済額を最小限に抑える事が出来るでしょう。今回は住宅ローンで変動金利の上昇リスクを抑える賢い方法を紹介します。

住宅ローンの金利タイプは2種類

変動金利が人気の理由を知るためには、住宅ローンの基本的な2つのタイプを知る必要がありますので、以下ご参考ください。

【住宅ローンの金利タイプ】

①固定型金利
返済開始から完済まで、金利の変更が無いタイプです。当初の金利が一定となるため、金利上昇の心配をしなくて良いのが特徴です。

②変動型金利
返済開始当初の金利が市場金利の変動に応じて、ある条件下で定期的に変動していくタイプです。返済開始からある一定期間は①の固定金利を用いて、期間終了後に変動金利に切り替える「期間固定金利」もこのタイプも含まれます。一般的には、固定金利より金利が低くなる傾向になる事が特徴です。

このように、固定型金利よりも金利が低い設定になっていることが、大きな理由の一つです。

変動金利には金利上昇リスクがある

多少リスクがあっても金利を低く抑えたい人にとっては、「変動金利」が人気になっています。

上述した通り、変動型金利は市場金利に応じた金利変動というリスクがある反面、固定金利と比べて金利水準が低くなっている金融機関がほとんどです。

そのため、固定金利より低い金利で借入れできますが、金利上昇のリスクを念頭に置いておく必要があるでしょう。

借り入れ当初よりも、市場が活発化する事や政策で金利が上昇する何かが行われると、変動金利の金利は上昇していきます。

住宅ローンの借り入れは20年・30年と長期になる事が多く、将来の事を確実に予測することは難しいですが、金利上昇のリスクに備えた上で変動金利を選択することはとても重要です。

上昇リスクを抑える方法

固定金利よりも金利が低い傾向にある事で人気の変動金利ですが、ある程度金利上昇のリスクに備えておかなければいけません。

上述した通り、将来の金利の変動を確実に予測することは誰にもできませんが、金利が上昇した時に取るべき対策や、借入の段階でリスクを抑える方法は存在します。
これらを事前に把握した上で、住宅ローンを借りる事が出来れば最大限に金利上昇リスクを抑える事は出来るでしょう。

この章では、その対策と方法を4つ紹介しますのでご参考ください。

借入額を抑える

頭金をなるべく多く入れて住宅ローンを借りる事で、毎月の返済額を低く抑える事が出来ます。
また、当然借入元金が低くなるため金利が上昇した場合でも、増加する利息額を最大限に押さえることが出来るでしょう。

頭金を入れた場合と入れなかった場合の、住宅ローンの利息額を簡単に紹介しますので比較してください。

【住宅ローン】※以下マイホーム購入条件
〇マイホーム購入費用:5,000万円
〇年利:2%
〇返済期間:35年
〇元利均等返済

①頭金なし
・借入総額:5,000万円
・毎月の返済額:16万5,631円
・総利息額:1,956万4,969円
・総支払額:6,956万4,969円

②頭金400万円
・借入総額:4,600万円
・毎月の返済額:15万2,380円
・総利息額:1,799万9,969円
・総支払額:6,399万9,834円

③頭金700万円
・借入総額:4,300万円
・毎月の返済額:14万2,442円
・総利息額:1,682万5,928円
・総支払額:5,982万5,928円

最近では、頭金不要などをアピールポイントとして住宅ローンも多く存在しますが、返済リスクを考慮するのであれば、しっかりと検討した上で頭金の有無を決定した方が良いでしょう。

当然総利息額が少ない方が、金利上昇のリスクを抑える事が出来る事は言うまでもありません。

繰り上げ返済をする

定期的に住宅ローンの繰り上げ返済を行い、早めの完済を目指すことも金利上昇のリスクに備えた賢い方法です。

繰り上げ返済には、次の二つのタイプがありますのでご確認ください。

①期間短縮型:月々の返済額を変更せず返済期間を短くする方法
②返済額軽減型:返済期間を短くせず月々の返済額を少する方法

繰り上げ返済で支払った返済額は、元金の充当に充てられるため支払の軽減効果が大きいのは、期間短縮型になります。

理由は元金を完済するスピードが早くなれば、利息額を早く減らすことが出来るからです。

将来、変動金利がどのように変動するか分からない事を考えても、完済までの時間を短くすることは賢い方法といえます。

固定金利とMIXする

住宅ローンには、変動金利と固定金利をMIXして借入を行える金融機関も多いです。
例えば、借入額の半分を変動金利、残りの半分を固定金利で借入を行う方法になります。

こうすることで、金利の上昇変動によるリスクを最大限分散することが出来るでしょう。

一方でデメリットとして、変動金利の金利が低下した時に受け取れるメリットが少なくなってしまうという事も忘れてはいけません。

そのため、MIXで借入を行う場合は借入額の比重を変動金利、固定金利のどちらにどれくらい置くのかを検討した上で一番賢い選択をするようにしてください。

借り換えをする

最後に紹介する方法は、金利が上昇するタイミングで固定金利へと借り換えを行う事です。

多くの金融機関では住宅ローンの借り換えを行う事が可能で、変動金利が固定金利の金利水準を上回る場合、借り換えを検討することは賢い選択といえます。

また、変動金利で借入を行っている金融機関だけでなく他の金融機関への借り換えが可能な点も一つのメリットといえるでしょう。

住宅ローンを変動金利から固定金利へと借り換えを行う際は、各金融機関の金利設定を確認した上で、一番支払額を減らすことが出来る選択をしてください。

尚、住宅ローンの借り換えには各金融機関毎が設定している事務手数料や諸費用が掛かる事が多いので、その費用に関しても確認するようにしましょう。

ファイナンシャルプランナーと相談する

住宅ローンを借りる際、変動金利の上昇リスクを抑える方法としてもう一つおすすめできるのが、プロのアドバイザーに相談するという事です。

金利の変動には国内だけでなく世界各国の、経済状況から受ける影響も多く、専門的な知識を持っている人からアドバイスを貰った方が、賢い方法を選択できるでしょう。

特に住宅ローンの返済は20年30年と長期にわたるため、その時々で適切な対策や方法も変ってきます。その度に相談できるアドバイザーが要る事は間違いなく心強いですし、金利上昇に対しても一番賢い方法を教えて貰えるでしょう。

そういった点で、お金と長期的なライフプランのアドバイザーであるファイナンシャルプランナーへの相談はおすすめですので、ぜひ検討してください。

まとめ

住宅ローンの変動金利の上昇リスクを抑える賢い方法として、4つの方法と専門家であるファイナンシャルプランナーへ相談することを紹介してきました。

金利の変動を完璧に予測することはできませんが、事前に想定して取るべき対応を把握し実行することでリスクを最小限に抑えられます
住宅ローンを借りる上では、今回紹介したことを参考にぜひ「現状と将来」どちらにとっても良い選択をするようにしてください。

この記事を執筆したカウンセラー紹介

小峰一真(こみねかずま)

2級FP技能士/証券外務員2種/住宅ローンアドバイザー| 明治大学政治経済学部卒業

大手国内証券会社、外資系保険会社を経て、前職では独立系FP事務所に創業から携わっていました。資金計画作成、住宅購入相談、資産運用、保険相談など全般的に得意で、セミナー講師も担当しています。趣味はゴルフと読書、スポーツ観戦(横浜Fマリノス、明治大学ラグビー部を応援!)です。

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