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不動産投資で求められる理想の利回りを解説

小峰 一真
  • マネー

数ある資産運用の中で、不動産投資に興味を持っている人も多くいるのではないでしょうか。不動産投資は2016年頃から人気でしたが最近では、老後資金の準備や節税対策として20代30代といった若い世代でも始める人が増えてきました。不動産投資を始める上で大切になるのが、理想の利回りを実現するという事です。利回りは決して高ければ良いという事ではありません。今回は不動産投資で求められる理想の利回りを解説します。

不動産投資とは

不動産投資とはその名の通り、ワンルームマンションや一棟アパート、新築・中古戸建といった不動産を用いて利益を得る投資手法です。

一般的に投資と聞いて多くの人が思い浮かべる、投資信託やFX、株式投資などと比較してリスクが低い投資手法として注目されています。

その理由は不動産投資では毎月の家賃収入を利益として考えるため、株式投資などのような急激な価格変動が起こる可能性が著しく低いからです。

不動産投資の利益には、次の2種類があるので確認しておきましょう。

①インカムゲイン
毎月の家賃収入を得る方法

②キャピタルゲイン
物件購入価格よりも高い価格で物件を売却して売却益を得る方法

このどちらを選択するかは、投資物件や実践する人次第です。
もちろん、タイミングや所有物件によっては①と②どちらとも得る事が可能になります。

今回の記事では、急激な変動がなく長期的目線で行う事ができる、①インカムゲイン(家賃収入)の手法に焦点を当て紹介します。

この場合利回りの考え方が、とても大切になってくるので以下の説明を参考にしてください。

表面利回りと実質利回りとは

不動産投資を行う為には、利回りの考え方を知っておかなければなりません。
不動産における利回りとは、購入した物件価格に対して1年間で得た利益の割合を指します。

物件を選ぶ際は、この利回りを基準として年間でどれだけの収益を得る事が出来るかを検討材料としていきます。

不動産の利回りに関しては、次の2種類の考え方がありますので参考にしてください。
①表面利回り(グロス)
物件購入価格に対しての、年間の家賃収入の割合。経費を差し引かず全ての家賃を収益として計算して算出する最もシンプルな利回り。

②実質利回り
物件購入価格に対しての、経費を差し引いた年間家賃収入の割合。経費を組み込むため表面利回りよりも、正確な利回りです。

必要経費には、物件購入時に掛かるコストや物件運営時に必要なメンテナンス費用、税金、その他費用などが含まれます。

不動産投資では物件によって必要な費用(経費)は変動するため、表面利回りと実質利回りの二つの視点から物件を精査していく事が重要です。

利回りの計算方法

それでは、この章で実際に「表面利回り」と「実質利回り」の計算方法を紹介していきます。

【計算方法】

①表面利回り=年間の家賃収入/物件購入価格×100%

②実質利回り=年間の家賃収入-必要経費/物件購入価格×100%

この計算を用いて、以下の条件の場合①②でどれくらい利回りの差が出るかを確認します。

【利回り計算】
・物件購入価格:3,000万円
・年間家賃収入:120万円
・年間必要経費:50万円

①表面利回り:4%
・120万円÷3,000万円×100%=4%

②実質利回り:2.3%
・(120万円-50万円)÷3,000万円×100%=2.3%

新築物件であればメンテナンス費用等が抑えられ、表面利回りと実質利回りの差が小さくなる可能性がありますが、その反面物件購入価格が高くなる傾向にあります。

逆に中古物件の場合、物件購入価格は抑えられますがメンテナンス費用が大きくなり、表面利回りと実質利回りの差が大きくなる傾向にあるのが一般的です。

不動産投資においては、利回りが高ければ良い物件とは言い切れない面があるので、実際の数値を用いてこの二つの利回りを比較検討するようにしましょう。

なおメンテナンス費用など物件を維持費は経費計上ができ、節税対策できるというメリットもあるので、その点も踏まえて検討すると、本当の利回りが見えてきます。

期待利回り(キャップレート)とか

ここでは、物件を購入するにあたって理想の物件を見つけるための、考え方を2つ紹介します。

まず最初に紹介するのが、物件価格から理想とする賃料を実現する物件を見つけるための「期待利回り」という考え方です。

例えば、仮に4,000万円の物件を購入して、10年間で物件価格を回収したい場合、年間の理想の収益は400万円となります。必要な利回りは10%です。

このような考え方で算出される利回りを「期待利回り」といい、検討している物件で理想としている年間賃料(実質利回り)を回収できるかの、基準として用いてください。

次に紹介するのが、賃料(収益)から適正な不動産価格を算出するための、還元利回り(キャップレート)という考え方です。
還元利回りの求め方は以下になります。

・還元利回り=1年間の利益(年間家賃収入-必要経費)÷物件購入価格

一般的に、適正な還元利回りの目安は立地や築年数によって変動しますが、賃貸住宅の場合5%~8%と程度と言われています。

例えば、購入価格4,000万円の物件の年間家賃収入が400万円で必要年間経費が100万だとすると、還元利回りは次の通りです。

・(400万円-100万円)÷4,000万円=7.5%

このように、購入を検討している物件の価格と年間家賃収益そして必要経費が分かれば、還元利回りを求めることが可能です。

購入を検討しているエリアや、物件の形態などから複数の物件を比較検討する事で、理想とする還元利回りを算出でき、適正な価格価格を見つける事が出来ます。

(参照)
20211125-kouhyou.pdf (reinet.or.jp)

まとめ

今回は不動産投資で求める理想の利回りについて紹介してきました。理想の利回りを求めるためには、利回りの基本的な考え方と種類を知り、物件価格や家賃収入の適正価格について知る必要があります。その上で、自分の理想に近づける物件を見つけて、購入を検討していく事が重要です。

不動産投資には様々な知識が必要となりますので、ぜひ今回紹介した内容を参考にしてください。自分自身でこれらを判断する自信が無い人は、投資とライフプランのアドバイザーであるファイナンシャルプランナーに相談しましょう。

この記事を執筆したカウンセラー紹介

小峰一真(こみねかずま)

2級FP技能士/証券外務員2種/住宅ローンアドバイザー| 明治大学政治経済学部卒業

大手国内証券会社、外資系保険会社を経て、前職では独立系FP事務所に創業から携わっていました。資金計画作成、住宅購入相談、資産運用、保険相談など全般的に得意で、セミナー講師も担当しています。趣味はゴルフと読書、スポーツ観戦(横浜Fマリノス、明治大学ラグビー部を応援!)です。

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