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はじめて出産手当金を使う人が知っておきたい3つのルールをFPが分かりやすく解説!

山内壮
  • マネー
  • 子育て

出産前は、新生児用やマタニティ用のグッズを揃える、定期検診に行く、など結構やることが多いです。ただ忘れてはいけないのがお金のこと。「国や会社からの給付があることは知っているが、どれくらいもらえるのか分からない」と不安を抱える方もいらっしゃるのではないでしょうか?この記事では出産手当金を使うための3つのルールを解説していきます。

出産手当金とは

出産の際に受け取れるお金は、大きく3つあります。産前産後にもらえる出産手当金、出産時に42万円がもらえる出産一時金、育休中にもらえる育児休業給付金です。
その中でも出産手当金とは、出産のために仕事を休んだ時、勤務先の健康保険から出産後にもらえる手当です。産前産後に収入が減少してしまう不安を解消してくれます。出産手当金を使う前に知った方が良いルールが3つあります。それは「金額」「期間」「条件」です。まずは「金額」について見ていきましょう。

受取り金額について

もらえる金額は働いていた期間や給料、産休の日数によって変わります。その計算式について、例も踏まえながら見てみましょう。

働いていた期間が1年以内の場合

以下どちらかの低い金額を使用して計算します。
①支給開始日以前、直近の各標準報酬月額を平均した金額
②30万円(平成31年4月1日以降で出産された方)

※標準報酬月額とは、月給を各都道府県が区切りのよい幅で分けたものです。
 例)東京都 月給23万の人は標準報酬月額が24万円になります。

働いていた期間が1年以上の場合

③支給開始日以前の12ヶ月間の各標準報酬月額を平均した額

計算式

もらえる金額=① or ② or ③ ÷ 30日 × 3分の2 × 産休の日数

例)各標準報酬月額の平均が20万円、産休の日数が98日の場合、
  20万円 ÷ 30日 × 3分の2 × 98日 = 435,512円

産休の期間について

産休期間の定義は、出産予定日の42日前から出産後56日目までです。日数には土日祝などの公休日も全て含まれます。また、予定日より遅れて出産した場合、その遅れた期間についても出産手当金が支給されます。例えば、出産予定日が5日遅れた場合、42日+5日+56日分、つまり、103日分もらうことができます。ちなみに、多胎児の場合は出産予定日の98日前から受取ることができます。

受取る条件について

申請をする前に、以下の2つの条件が揃っているか確認しましょう。

出産する方が健康保険に加入している

勤務先の健康保険に加入していれば、正社員だけでなくパートや契約社員の方も、受取ることができます。しかし、夫の健康保険の扶養に入っている場合や、自営業の方が入っている国民健康保険では、もらうことが出来ないので注意が必要です。

産休中に会社から給料を受取っていない

産休中に休業手当がもらえる会社もありますが、その場合は全く貰えないか、もらえる金額が少なくなります。例えば、出産手当金が月30万円に対して、会社から休業手当をその月に35万円をもらった場合、出産手当金は1円も受取ることは出来ません。また、会社からの休業手当が20万円だった場合、出産手当は10万円に減額されるので注意が必要です。

手続き方法

出産手当金を受取るためには、必要書類の提出をします。産前・産後、自分・医師・事業主で記入する点が異なりますので、以下にまとめてみました。

産前にすること

・勤務先の健康保険窓口に連絡し、「健康保険出産手当金支給申請書」をもらう。(自分)
※出産することを勤務先に伝えた際、総務部・人事部が代理で申請してくれることもあります。
・申請書の出産の証明欄に記入してもらう。(医師・事業主)

産後にすること

・申請書に必要事項を記入し、健康保険証のコピーと共に勤務先へ提出する。(自分)

申請後、1~2か月程に勤務先の健康保険窓口が振り込んでくれます。出産手当金の申請期限は、産休開始日から2年以内なので、できるだけ早めに申請しましょう。

まとめ

出産手当金は健康保険に加入している人が、仕事を休む産前産後にもらえる手当です。
しかし、実際に出産手当金を受け取れるのは、産後早くて2ヶ月後、遅いと4ヶ月後になります。入院時に個室を選んだ場合や、普通分娩ではない場合など、内容によっては自己負担が100万円を超えることも考えられます。その場合でもお金に困ることのないよう、預金などすぐに使えるお金を、ある程度手元に置いた方が良いでしょう。出産前にいくらお金を用意したら良いのか、出産後のライフプランも考えたい場合は、FPに相談することをおすすめします。

この記事を執筆したカウンセラー紹介

山内壮(やまうちそう)
2級ファイナンシャルプランニング技能士/AFP/トータルライフコンサルタント

大手金融機関に通算5年間勤務した後、より多くのお客様と「家族のように」解決策を1つずつ大切に話したい、
という想いからファイナンシャルプランナーに転身。
自身も1歳の子供のパパとして子育てに仕事に奔走しています!

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