2021年の確定申告「5つの変更点」をFPが徹底解説!

増渕壮太
  • マネー
  • 税務

自営業や個人事業主は毎年確定申告をして、1月1日~12月31日の1年間の所得をまとめ、そこから経費や控除額を差し引き、所得税や住民税の納税額を確定します。納税額を少なくすることができる様々な控除がありますが、2021年に5つの改訂がありました。そこでこの記事では、2021年の確定申告の変更点について解説していきます。

2021年からの変更点は大きく5つ!

確定申告の変更点は大きく5つあります。控除額や控除を受けられる要件等の変更が多いため、一つずつ正しく理解し、整理していきましょう。

基礎控除の見直し

基礎控除とは、納税者の所得から差し引くことができる所得控除の1つです。もともと控除額は、38万円でしたが、2021年からこの基礎控除が10万円引き上げられ、48万円になります。

また、基礎控除額は年収に応じて変わってきます。
①2,400万円以下・・・48万円
②2,400万円超2,450万円以下・・・32万円
③2,450万円超2,500万円以下・・・16万円
④2,500万円超・・・0円

控除額が上がると納税額が減るので、非常に良い改訂ですね。しかし、会社員はあまり変わらないと言えます。それは、次の変更点が関わってくるからです。

給与所得控除の引き下げ

給与所得控除とは、会社員や公務員に適用される控除で、控除額は1年間の給与等の収入額に応じて決定します。そして昨年から変わった点は、控除額が原則10万円引き下げになりました。

例えば、給与収入が850万円以下の人は従来の控除額から一律10万円引き下げになり、給与収入が850万円を超えている人は最高220万円控除できたものが195万円の控除になり、25万円引き下げになります。これにより、多くの会社員や公務員は、基礎控除と併せると合計の控除額は変わりませんが、給与収入が850万円以上の人は注意が必要です。

配偶者控除・扶養控除の引き上げと適用条件の変更

配偶者控除とは、年間の合計所得が一定金額以下の配偶者と暮らしている場合に受けられる控除です。昨年までは、年間の合計所得が38万円以下である事が適用条件でした。2021年からは、48万円以下になります。また、控除額に変更はなく、従来通り納税者の所得に応じて決まります。

①900万円以下・・・38万円
②900万円超950万円以下・・・26万円
③950万円超1,000万円以下・・・13万円
④1,000万円超・・・0円

扶養控除とは、子供や親、家族を養っている場合に受けられる控除です。扶養控除も配偶者控除と同様、昨年までは年間の合計所得が38万円以下であることが適用条件でしたが、2021年からは48万円以下になります。

控除額も変更はなく、扶養親族の年齢や納税者(又はその配偶者)との同居の有無によって変わります。

①一般の控除対象扶養親族(16歳以上)・・・38万円

②特定扶養親族(19歳以上23歳未満)・・・63万円

③老人扶養親族(70歳以上)
 同居してない・・・48万円
 同居している・・・58万円

配偶者控除も扶養控除も、2021年から年間の合計所得金額の適用条件が10万円上がります。例えば、扶養から外れないかを気にして、所得を抑えていた人も今回の変更により、今までより扶養の範囲内で所得を増やすことができます。

ひとり親控除の新設

シングルマザーやシングルファーザーが受けられる控除に「寡婦控除」や「寡夫控除」があります。今までは、全員が受けられるわけではなく、未婚で子供がいる親は控除の対象外でした。また、シングルマザーの方が控除額や所得要件が緩いといった格差もありました。

そこで2021年に誕生したのが「ひとり親控除」です。「ひとり親控除」は、以下の条件を満たせば、結婚歴や性別に関わらず35万円の控除を受けることができます。

①現在、結婚をしていない
②合計所得金額が500万円以下
③生計を一にする子がいる(年間の合計所得金額が48万円以下)

2021年からの変更により、「寡婦控除」も「ひとり親控除」と同じ条件、控除額に修正されます。また、「寡夫控除」は廃止となります。

青色申告特別控除の引き下げ

青色申告とは、税制上のメリットを多く受けることができる方法です。今までは、65万円の控除を受けることができましたが、2021年から原則、55万円に引き下がります。しかし、以下の条件どちらかを満たすことで今まで通り、65万円の控除を受けることができます。

・e-taxによる電子申告
・電子帳保存

また、要件を満たしていても、確定申告の期限を過ぎてしまうと、10万円の控除しか受けることができなくなってしまうので、注意が必要です。

助成金で課税対象になるもの

2020年はコロナの影響により、国から様々な助成金が交付されました。例えば、持続化給付金や定額給付金などがあります。助成金によっては課税対象になるものとならないものがあります。数が多いため、ここでは代表的な助成金を挙げていきます。ご自身が受け取った助成金が課税対象になるのか確認してみましょう。

課税対象になるもの
・持続化給付金
 概要:前年比で売上が50%以上減少した中小企業や個人事業主のための給付金。
 個人・・・最高100万円

・家賃支援給付金
 売上が減少した事業主が地代・家賃の負担を抑えるための給付金。
 個人・・・最高300万円

課税対象にならないもの
・特別定額給付金
 国民全員が貰える給付金。
 1人あたり・・・10万円

・新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金
 休業してしまった中小企業のうち、休業手当を受けていない方が貰える給付金。
 支給金額・・・休業前の1日当たりの平均賃金×80%×(各月の日数ー就労した又は労働者の事情で休んだ日数)

まとめ

今回の変更があまり関係ない人もいれば、納める税金が多くなってしまう人もいると思います。今年はコロナの影響で収入減になった方が多い中、助成金や確定申告の変更点などもあるので注意が必要です。受け取った助成金が課税対象になるのか、確定申告の変更点についてもっと詳しく知りたいという方はFPに相談してみるのも良いでしょう。

この記事を執筆したカウンセラー紹介

増渕壮太(ますぶちそうた)

2級ファイナンシャルプランニング技能士

大手金融機関でキャリアを積み、もっと金融を身近なものとしてお客様に感じて欲しい、たくさんの金融商品の中から本当に良いものを紹介していきたいと考え思いきってFP会社の門を叩きました。(元々父親が自営業をしていたこともあり昔から経営やお金のことに関心が強かったということもあります。)学生時代はハンドボールとダンスをしていました。今は筋トレにはまっています!

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