住宅ローン変動金利と固定金利のメリット・デメリットをFPが分かりやすく解説! | ファイナンシャルプランナー相談はマネープランナーズ

住宅ローン変動金利と固定金利のメリット・デメリットをFPが分かりやすく解説!

倉知洋平
  • マネー

このコラムを読むと解ること
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住宅購入の際、物件探しと共に考えないといけないのが住宅ローンです。今の固定金利は低いですが、それよりも低い変動金利は魅力的に思えます。そこで、「メリット・デメリットを踏まえて比較したい」と仰る方が多いです。この記事では、変動金利と固定金利のメリット・デメリットを解説します。この記事を読めば、ご自身にはどちらのローンが適切なのか、考え方が分かります。

変動金利・固定金利とは?

住宅ローンの金利は「変動金利」と「固定金利」の2種類があります。比較するために、まずはそれぞれの特徴を抑えていきましょう。

変動金利について

変動金利とは、一定期間ごとに金利が変動することです。金利が上がると返済額が増え、下がると返済額は減ります。金利の見直しは半年に一度あります。その際、金利が大幅に上昇すれば、住宅ローンの返済額も増えてしまい、家計に負担がかかってしまいます。そこで、金利上昇による返済額を抑える為に、返済額の見直しを5年間変更しないルールがあります。これを「5年ルール」と言います。

また、「5年ルール」が適用されていたとしても、金利上昇の為、6年目からは返済額が大きくなる可能性があります。そこで、今までの返済額の125%は超えないルールもあります。これを「125%ルール」と言います。これらのルールのお陰で返済額が大幅に増えない為、生活費に影響が及ばないようになっています。

しかし、こうしたルールが無い金融機関もあるので、金利がすぐ上がることや、返済額が一気に上がる可能性もあります。また、毎月の返済額は変わりませんが、利息部分を占める割合が増えるので、元金部分が減らない恐れもあります。

固定金利について

固定金利とは、ローン契約時に決めた期間中は金利が変わらないことです。固定金利には「全期間固定金利型」と「固定金利期間選択型」があります。

全期間固定金利型

全期間固定金利型とは、固定金利の中でも、借入時から完済まで契約時の金利で返済を行うローン契約のことを言います。金利がローン返済まで固定なので、契約時に返済額が確定します。代表的なもので「フラット35」があります。金利は、全期間固定金利型>固定金利期間選択型>変動金利の順となり、3つの金利の中で一番高いです。

固定金利期間選択型

固定金利期間選択型とは、最初の契約時に2年、3年、5年、7年、10年、15年、20年の中から固定金利の期間を選び、その期間の金利を固定するローン契約のことを言います。金利は、固定期間が短くなるほど低くなります。固定金利期間終了後、その時点の金利水準で変動金利にするか、再び固定期間にするか、選択できます。再び固定金利を選択する場合は、手数料がかかる金融機関もあるので注意が必要です。

変動金利のメリット・デメリット

上記の特徴から変動金利のメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット
・固定金利よりも金利が低めに設定されている
・今後金利が上昇しなければ、低金利を享受できる
・5年ルール、125%ルールが適用される

デメリット
・ローンを組んだ時点では返済総額が分からない
・金利の動きが分かりづらく、返済計画を立てにくい
・将来金利が上昇し、返済額も上昇し、返済が苦しくなる可能性がある

固定金利のメリット・デメリット

変動金利に比べて、固定金利はどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?以下にまとめました。

メリット
・返済額が確定しているので、返済計画が立てやすい
・金利の低い時期に契約すると、ローン完済まで低金利のまま
・金利が固定されているので安心する

デメリット
・変動金利より金利が高めに設定されている
・今後低金利のままであれば、変動金利より返済額は多めになる
・金利が下がっても、恩恵を受けられない

住宅ローンを組む際、どちらで組んでる人が多いのか、というと、変動金利が60.2%、固定金利(固定金利期間選択型)は26.6%、固定金利(全期間固定金利型)は13.2%と、変動金利で住宅ローンを組む方が多いのが現状です。(出典:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査2020年5月」)

2016年のデータでは、変動金利が47.9%、固定金利(固定金利期間選択型)が35.1%、固定金利(全期間固定金利型)が17.0%でしたので、変動金利が徐々に多くなっているのが分かります。何故このような結果になったかというと、やはり金利の低さが要因になっています。変動金利の金利が、直近20年程ほとんど変わっておらず、最低クラスの金利を維持しています。

しかし、変動金利を「自分の周りの人たちが変動金利だから」という理由で、選らんではいけません。どのような考え方や生活スタイルが、それぞれのローンに向いているのでしょうか?

どのような人が向いている?

「変動金利」と「固定金利(全期間固定金利型)」と「固定金利(固定金利期間選択型)」別で、実際どのような考え方や生活スタイルが、各ローンに合っているのかまとめました。

変動金利

①余裕資金がある
②金利の動きをマメにチェックできる
③返済期間が短く、借入金額が少ない
上記に1つでも該当する方は変動金利が合っています。理由は、金利が突然上がってしまった場合でも、すぐに対応ができるからです。例えば、共働きの夫婦や、投資を既に始めている方にはおすすめです。

固定金利(全期間固定金利型)

①計画的に返済していきたい
②これからお金を貯めようとしている
③今後の収入が予測できない
上記に1つでも該当する方は「固定金利(全期間固定金利型)」が合っています。理由は、毎月の返済額が変わらないので、計画が立てやすいからです。例えば、教育費や老後の為に積立をしていきたい方、自営業の方にはおすすめです。

固定金利(固定金利期間選択型)

①一定期間だけ返済額を安定させたい
②お金が貯まる目処がついている
③収入アップ・支出ダウンがある程度予想できる
上記に1つでも該当する方は「固定金利(固定金利期間選択型)」が合っています。理由は、既に収支計画がある程度見えており、その計画に固定金利のローン年数を合わせやすいからです。例えば、10年後にお子様の独立が予想出来る方、3年後に車のローンが払い終わる方にはおすすめです。

まとめ

変動金利や固定金利、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、ご自身のライフプランに合ったローンを組みたいところです。しかし、「変動金利・固定金利を組み合わせたローン」である「ミックスローン」というものもあり、選択肢が余計に広がってしまいます。

「結局自分にはどんなローンの組み方がおすすめなの?」と不安や疑問に思った時は、住宅ローンに詳しいFPに相談すると良いでしょう。

この記事を執筆したカウンセラー紹介

倉知洋平(くらちようへい)

2級ファイナンシャルプランニング技能士/トータルライフコンサルタント

大手企業で勤務した後ファイナンシャルプランナーに転身しました。自身も投資に精を出しています。
休みの日はプロ野球観戦をしながらお酒を飲むのがもっぱらの楽しみです。

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