投資信託の選び方はどうしたらいい?FPがセオリーをまとめました! | ファイナンシャルプランナー相談はマネープランナーズ

投資信託の選び方はどうしたらいい?FPがセオリーをまとめました!

小峰一真
  • マネー
  • 資産運用

このコラムを読むと解ること
#投資信託の選び方のセオリー#初心者でも始めやすい投資信託#投資信託におけるコスト#自分に合ったポートフォリオ#投資信託の選び方

資産形成の一つとして投資信託に興味を持っている人も多いはずです。少ない金額から購入できる事や、運用をプロに任せられる点、分散投資のため低リスクで行える点などを考えると、初心者でも始めやすい投資手法と言えるでしょう。しかし、投資に絶対はありません。そのためまずは、失敗しないために知識をつけておく事が重要です。今回は投資信託の選び方をどうしたらいいのか、FPがセオリーをまとめて紹介します。

「投資信託」選び方のセオリー

はじめに、投資信託(ファンド)がどういった投資手法かを把握しておきましょう。

投資信託を簡単に説明すると、投資の専門家が複数の投資家から集めたお金を一つの資金として株式や債券に投資して運用を行う商品のことです。
投資家にとっては、投資額に応じて受け取れる分配金(インカムゲイン)や購入額より高い価格で売却する時に得られる売却益(キャピタルゲイン)が利益となります。

多くの投資家から集めた資金を一つの資産として運用するため、様々な資産に分散投資しリスク分散することが可能です。

個人の投資家が分散投資を行う為には多くの資金が必要となりますが、投資信託は100円から始める事も可能で、上記の理由から個人でも分散投資が行えるという特徴があります。

このように比較的初心者でも始めやすい投資手法ですが、2023年現在個人が投資できる数が6,000本近く存在し、その中から自分に合った商品を見つける事は容易ではありません。

そのため、投資信託の選び方の基準を把握した上で購入検討を行うようにしてください。
次の章から投資信託の選び方のセオリーを3つの観点から紹介していきます。

純資産総額の大きさ

投資信託を選ぶ際のセオリーとして、最初に確認するべきポイントは「純資産総額の大きさ」です。

純資産総額とは「運用される株式や債券の純資産額」から「運用手数料等」の必要経費を差し引いた金額の事を言います。

これがいわば、投資信託の規模を示すものという事をまずは覚えておきましょう。

純総資産額の大きさは投資信託(ファンド)によって変りますが、金額が多い方が人気があり多くの投資家が投資をしている商品と判断出来ます。

純資産が大きければその分、多くの銘柄に投資ができるため安全に分散投資を行う事が出来ますし、分散投資でバランスがとれているため運用実績の悪い銘柄の入れ替えなど柔軟に対応できるのです。

純資産総額は投資信託を販売する際に開示することが義務付けられている、交付目論見書や運用会社が任意で発行している月次・週次レポートで確認できます。

分散投資をしながら。中長期的に運用できる商品を選ぶことが投資信託では重要です。
5年以上安定して運用している投資信託では、純資産総額が100億円以上となっている事が多いため、100億円以上の純資産額総額の商品を購入の目安としてください。
また、運用がスタートしたばかりだと一概に判断できないため、運用歴が浅い投資信託の場合は100億円以上であってもあくまで目安として注意するようにしましょう。

分配金を確認する

投資信託において運用実績に基づいた収益の中から、毎月や1年毎・2年毎など事前に決められた期間に支払われるお金を分配金と言います。

投資信託の種類によっては分配金が「ある商品」「ない商品」が存在しており自分の投資目的によってどちらを選択するかが変わってきます。

◆分配金あり
・定期的に分配金が支払われるため、短期的に利益として現金を受け取りたい人におすすめ。定期的に利益を受け取るため、投資元本が増えず長期投資による複利効果は期待できない。また、受け取った利益自体は再投資する事も可能だが、分配金は受け取った時点で課税対象となるため税金の支払いが発生するので注意が必要。

◆分配金なし
・運用益を再投資する形で元本に組み込まれるため、長期的に利益を増やしたい人におすすめ。短期的な利益は全て元本に組み込まれるため、短い期間での運用効率は望めない。

短期的に収益を得たいのか長期的に運用効果を期待するのかを、事前に決めた上で分配金を確認して投資信託を選ぶようにしてください。

コストがいくらなのか確認する

投資信託には購入時・保有期間中・解約(換金)時にそれぞれ手数料としてコストが掛かってきます。

このコストがいくらなのかも、投資信託を選ぶうえではとても重要ですので、以下それぞれ必要な手数料を確認してください。

◆購入時
・販売(購入)手数料
投資信託を金融機関から購入する際に掛かってくる手数料です。販売する金融機関が自由に設定できる手数料で一般的に0%〜5%必要になります。手数料分はスタート時点での負債を意味しますのでなるべく低い%の商品を選びましょう。最近では手数料無料(ノーロード)の商品もありますので確認するようにしてください。

◆保有期間中
・信託報酬手数料
投資信託の運用管理に必要になる手数料です。投資信託毎に設定されており、一般的に年0%〜2.5%必要となります。目論見書に記載されているため事前に確認してください。

・売買委託手数料
投資信託を売買する時に必要になる手数料で大きさは投資信託毎に大きく異なります。ポートフォリオの変更が頻繁に行われるものが高くなり、変更が少ないものが低くなる傾向にあります。

◆解約時・換金時
・信託財産留保額
投資信託を契約途中で解約・換金する時に必要になる手数料で0%~3%となる事が一般的です。途中解約をする事で、投資信託の運用が不安定になる事や予定外の手間が掛かる事を理由に各金融機関が設定している手数料です。

このように投資信託にはそれぞれの状況によって、必要になってくる手数料があるため、購入から解約・換金までの間にどれだけコストが掛かるかを把握した上で選ぶようにしてください。

自分に合ったポートフォリオを組みましょう!

ここまで紹介した投資信託の選び方のセオリーが分かれば、後は自分に合った投資信託のポートフォリオを作成しましょう。ポートフォリオとは具体的な金融商品の組み合わせの事を言い、自分の投資をする目的に合わせて作成するものです。

上述したように、投資信託の基本は分散投資ですので自分の資産をどうやって分散投資するかを考えてポートフォリオを作成してみましょう。

例えば、株式や債券など投資商品の種類を変える「資産の分散」や、国内や海外の投資商品を扱う「地域の分散」をする事でより低リスクな分散投資を行う事も出来ます。

またローリスク・ローリターンの商品と、ミドルリスク・ミドルリターンやハイリスク・ハイリターンの商品を組み合わせて購入することで、安定性と収益性の両方を狙う事も可能です。

自分が投資できる資金の中で、自分の目的に合ったポートフォリオを組めたら後は投資信託を購入する事が出来ます。

まとめ

投資信託では分散投資の考え方を基本として、純資産総額・分配金・コストを基準として商品を選ぶことがセオリーとなります。3つの基準を満たした上でどういったポートフォリオを作成するかが大きなポイントとなるので、ぜひ今回の記事を参考にしてください。投資信託は比較的低リスクですが、元本が保証されているわけではなく損失が出る事もあります。そのため自分自身でポートフォリオを作る自信が無い人は、お金と投資のアドバイザーであるFPに相談することをおすすめします。

この記事を執筆したカウンセラー紹介

小峰一真(こみねかずま)

2級FP技能士/証券外務員2種/住宅ローンアドバイザー| 明治大学政治経済学部卒業

大手国内証券会社、外資系保険会社を経て、前職では独立系FP事務所に創業から携わっていました。資金計画作成、住宅購入相談、資産運用、保険相談など全般的に得意で、セミナー講師も担当しています。趣味はゴルフと読書、スポーツ観戦(横浜Fマリノス、明治大学ラグビー部を応援!)です。

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