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投資初心者向け!ちょっと難しい投資用語を解りやすく解説します! 今回の用語は「PBR」!

山内壮
  • マネー
  • 資産運用

株取引を行うにあたって、専門用語の意味を理解しておくことはとても大切です。しかし、株取引における用語は難解なものが多いため、FPが投資用語を分かりやすく解説していきます!今回は「PBR」について!株式投資の初心者の方は必見です。

「PBR」とは?

投資家がどの株式に投資すれば良いのか確認する際、指標となるものとして、「配当利回り」や「配当性向」「株価収益率」などがあります。これらを株式の投資指標といいます。

その中でもPBR(ピービーアール)とは「Price Book-value Ratio」の略で、日本語で「株価純資産倍率」と言います。これを見ると、株価が「1株当たりの純資産」の何倍になっているかが分かり、割安か割高かということが判断出来ます。計算式は以下で表します。

PBR(倍)=株価÷1株当たり純資産(BPS)

PERは数値が低いほど株価が割安、高いと株価が割高という判断ができます。また、BPSについては次回以降で解説します。

「PBR」の具体例

例えばある企業の株価が1000円、1株当たり純資産が1,000円の場合、PBRは1倍です。もしその後に株価が800円になった場合、PBRは0.8倍になります。

PBRの目安となるのは「1倍」です。PBRが1倍の場合、株価と1株当たりの純資産は一致しています。PBRが1倍の状況でもし企業が解散したとすると、株主には投資した額と同じ金額が戻ってくることになります。PBRが1倍よりも低い場合、株価が1株当たりの純資産額よりも低い、つまり株価は割安ということになります。

似たような用語の「PER」とは?

「PER」(ピーイーアール)とは「株価収益率」のことで、株価が「1株当たりの当期純利益」の何倍になっているかを示します。

「PER」と「PBR」、この2つはどちらも株価が割安か割高か、ということを確認するための指標です。数字が高ければ株価は割高、低ければ割安という意味になります。ただ、「PBR」は基準としているのが「純資産」、「PER」は基準としているのが「純利益」という点で異なります。

どちらが指標として良いか、というのはありません。「PER」と「PBR」でともに割安と判断されれば、その株はバリュー株であるといえるでしょう。

「PER」やバリュー株についてはこちらの記事でも解説しています↓
投資初心者向け!ちょっと難しい投資用語を解りやすく解説します! 今回の用語は「PER」!

「PBR」の注意点

「PBR」で割安かどうか判断する際、注意点がいくつかあります

①短期的な株価変動に対応していない

純資産の数値は四半期ごと、1年ごとの企業の決算時に変動します。なので、短期的な投資指標としては向いていません。また、ITやバイオなどの小型の成長企業は純資産の額も低く変動も大きいです。売上高の成長性といった要素は加味されないので、このような成長株投資にも不向きです。

②帳簿上の純資産は時価に比べて過少または過大に表示されていることが多い

純資産は、BS(貸借対照表)に計上している資産から負債を控除すれば計算できます。例えば、ある大手企業が中小企業に1億円投資した場合、大手企業の貸借対照表(BS)には、資産の項目として「有価証券 1億円」が計上されます。

しかし、投資先の中小企業の業績が何かのキッカケで悪化するかもしれません。そうなると、この有価証券は本当に1億円の価値があると言えるか微妙ですね…このようなことが考えられるので、資産の価値が適切にBS(貸借対照表)に反映されているとは言えず、当然純資産の額も信用できるものではなくなります。

まとめ

「PBR」を計算して目安の1倍より高いか低いか分かれば、現在の株価が割安かどうかが分かります。似ている用語の「PER」も株価が割安かどうかが分かるので、こちらの投資指標も参考にしましょう。また「PBR」で確認する際、その企業の純資産の内訳も確認しましょう。

今後もこういったちょっと難しい投資用語を解説していきます!

この記事を執筆したカウンセラー紹介

山内壮(やまうちそう)

2級ファイナンシャルプランニング技能士/AFP/トータルライフコンサルタント

大手金融機関に通算5年間勤務した後、「お客様から『一生つきあっていける家族のような存在』と思ってもらう」という想いからファイナンシャルプランナーに転身。
自身も2歳の子供のパパとして子育てに仕事に奔走しています!

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