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初心者でも理解出来る「成功するアセットアロケーション」をファイナンシャルプランナーが解説

吉村 将成
  • 資産運用

アセットアロケーションとは、資産をどのように配分するかを決めることです。投資する資産を分散することにより、リスクの影響を抑えて投資効率を高めることができます。今回は、アセットアロケーションの重要性と、どのような配分にしたらいいのかについて解説します。

 

アセットアロケーションとは

アセットアロケーションとは、資産(アセット)をどのように配分(アロケーション)するのかを決めること。資産は。主に次の8つに分類できます。
・現預金
・国内債券
・国内株式
・外国債券
・外国株式
・不動産
・商品(原油・金など)

アセットアロケーションは、その人の資産状況や運用目的、リスク許容度によって適切な配分が異なります。そして、具体的な銘柄を組み合わせたものを「ポートフォリオ」といいます。
アセットアロケーションの最大のメリットは、リスクを抑えられることです。「卵を一つのカゴに盛るなという」投資格言があります。卵を一つのカゴに盛ると、そのカゴを落とした時に卵が全部割れてしまう可能性があります。しかし複数のカゴに盛っておけば、一つのカゴを落としても、他のカゴに盛られた卵からやがてひよこが生まれてニワトリに育つ可能性があるという意味です。

資産運用においても、たとえばすべての資産を株式にしていると、2020年のコロナショックなどの経済危機が起こると、資産が大きく目減りしてしまいます。しかし、金や債券など複数の資産に分散投資しておけば、株式市場の損失を小さく抑えることが期待できるのです

アセットアロケーションの重要性

ポートフォリオのリターンは、アセットアロケーションによって大半が決まります。何をどのくらいの割合で組み合わせるかで、リスクとリターンは大きく異なるからです。たとえば、高いリターンを望むのであれば、一番高いリターンが得られる可能性がある外国株式だけに投資しておけば良いのですが、そうすると価格変動リスクも大きくなります。
投資は、資金の性格や投資する立場によって、一定の制約があるのが通常です。若い世代であれば大きなリスクを取ることができても、高齢者であれば損失をしないよう、過度なリスクを取らないような運用が求められるからです。

自分がどのくらいのリスクを取れるのかを考え、アセットアロケーションを決める必要があります。利益は小さくても損失がでにくい運用をしたいのか、リスクを受け入れても積極的に利益を狙っていきたいのかを決める必要があります。

 

成功するアセットアロケーションとは

アセットアロケーションの参考になるのは、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のポートフォリオです。2020年3月までの比率は、以下の通りです。
・国内株式 25%
・国内債券 35%
・外国株式 25%
・外国債券 15%

GPIFは公的年金を運用するので、安全性が高い国内債券を中心に運用を行ってきました。年金の運用なので、一時的にでも大きな消失が生じる可能性を抑えるため、極端なリスクを取らないようにしてきたのです。

2001年に自主運用を始めたときの国内債券の比率は68%で、安全性を重視してきたのです。しかし複数回の基本ポートフォリオの見直しで、株式や外国資産の比率を高め、2020年3月時点では、外国資産の割合が40%になりました。国内で低金利が続く中、国内債券ではリターンがほとんど望めなくなったからです。
2020年4月からは、さらに外国資産の比率を高め、以下の資産配分になりました。
・国内株式 25%
・国内債券 25%
・外国株式 25%
・外国債券 25%
株式と債券の比率、国内と海外の比率がそれぞれ50%ずつになりました。国内外の株式・債券に同じ割合で資産配分するというシンプルな形になったのです。
個人投資家も、「日本株式・日本債券・外国株式・外国債券」という資産を1/4ずつ組み合わせる、シンプルなアセットアロケーションを基本にしてみてはいかがでしょうか。株式の割合を増やすとリスクやリターンは高まり、債券の割合を増やすとリスクとリターンは低くなります。

さらに分散効果を高めたいなら、商品(金や原油など)や不動産を組み入れます。また、成長期待を高めたいなら、海外資産の割合を高めたり、海外を先進国と新興国に分けて新興国株式の割合を増やしたりする方法もあります。

 

まとめ

アセットアロケーションとは、資産をどのように配分するかを決めることです。どのような資産を選び、それをどのくらい配分するかによって、全体として得られるリターンの8割以上は説明がつくといわれています。

一般に、運用できる期間が長い若年層ほどリスクを取りやすく、リタイヤが近づくほどリスクを小さくすべきとされています。その人の性格や資金の使い道、資産額によってアセットアロケーションは大きく異なるのです。
しかし、「アセットアロケーションを決めるのは難しい」と思う人も多いのではないでしょうか。そんな人は資産運用の専門家であるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談するようにしましょう。人生のライフプランをたてながら、最適なアセットアロケーションを決めてくれるからです。

アセットアロケーションは年齢によって異なるので、3~5年に1回はFPと相談しながら見なおすようにしましょう。

この記事を執筆したカウンセラー紹介

吉村将成(よしむらまさなり)
2級ファイナンシャルプランニング技能士/経営管理修士(MBA)

大手外資系企業の営業、人事、経営企画室を経て生命保険系ベンチャーに転職。メットライフ生命とのパートナーシップ事業にて3年間で14社約150名の保険代理店グループを形成。2014年12月当社の親会社インシュラーズ株式会社を設立。株式会社マネープランナーズ取締役。

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