将来の年金に不安を感じている方必見!実態と対処方法をFPが解説 | ファイナンシャルプランナー相談はマネープランナーズ

将来の年金に不安を感じている方必見!実態と対処方法をFPが解説

小峰一真
  • マネー
  • 資金計画

このコラムを読むと解ること
#年金制度の実態#今後の年金制度#公的年金制度以外の老後資金対策

人生100年時代と言われる今、老後の年金がきちんと受け取れるのか不安を感じている方は多いことと思います。今回は、年金に不安を感じている方に向けて、年金制度のしくみ、老後に受け取れる年金の説明、そしてFPがおすすめする老後の資産づくりの方法を解説します。

年金制度の実態

日本の公的年金制度は、国民年金を1階、会社員などが加入する厚生年金を2階部分とする、2階建ての建物に例えられます。1階の国民年金は、20歳以上の国民すべてが加入する基礎部分となり、サラリーマンや公務員などは2階部分の厚生年金に、国民年金の上乗せとして加入する仕組みです。受け取れる年金には、老齢、障害、遺族の3種類があり、それぞれに国民年金から支給される基礎年金と、厚生年金から支給される厚生年金があります。

たとえば、国民年金の加入者は65歳から老齢基礎年金が、厚生年金の加入者は老齢厚生年金が支給されます。支給される年金は現役世代が納めた保険料でまかなわれる、「世代間扶養」の仕組みをとっています。

不安に感じているのは老齢年金

私たちが年金と聞いて不安になるのは、老齢年金です。なぜなら老齢年金は、少子高齢化が進むにつれ、受給できる金額が減少してしまう可能性が高いからです。厚生労働省の資料「年金額の改定(スライド)の在り方」によると、老齢厚生年金の給付額の水準となる「所得代替率」(現役世代の平均手取りを基準に年金の支給率を表すもの)は、2014年で62.7%ですが、2044年には約50%にまで引き下げられる見通しとなります。

実際の給付額は、そのときの物価や賃金でも変動しますが、この見通しからすれば、老齢厚生年金の受給額は今後も下がり続けると見てよいでしょう。

ちなみに、平成29年度の老齢厚生年の平均年金月額は14万7千円、老齢基礎年金は5万5千円です。決して多いとは言えません。これからの老後が、本当に不安になりますよね。

厚生労働省資料「年金額の改定(スライド)の在り方

H29数値参考データ

年金制度は破綻しない?

中には、「年金制度そのものが、そのうち破綻するのでは?」と不安を感じている方もいるかも知れません。しかしながら、たとえ少子高齢化が進んでも、年金制度が破綻するわけではありません。

年金制度は、経済状況に合わせて支給額を調整したり、あるいは受給開始年齢を遅らせたりすることで維持できるからです。

そして、その維持のために、現在、老齢厚生年金の受給開始年齢を70歳に延ばすことや、加入期間の上限を引き上げることの検討が行われています。
私たちの老後は、今の高齢者よりも長く働きつつ、もらえる年金は少ないという事態になるかも知れません。

年金制度が不安なら自分で準備すれば良い

老後の年金生活に不安があるのは、皆同じです。これからは、自分自身で老後の準備を行う必要があります。そして老後の準備は、30代や40代など働き盛りのうちに少しでも早く始めることが大切です。

たとえ少額しか備えられなくても、早く始めることによって、余計な支出を抑える材料になったり、後になって準備を始めるよりも負担が集中することがありません。
しかし老後の準備といっても、今はマイナス金利によって、預金口座にお金をいくら預けてもほとんどメリットがありません。

そこで活用したいのが、個人年金やiDeCoなどの制度です。

個人年金

個人年金とは、保険会社の商品です。
現役世代の間に保険料の払込みを終え、その後、契約した一定の年齢から年金を受け取れることに特長があります。

個人年金の魅力は、支払った保険料の同等額に、運用益をプラスした額を受け取れる商品が多いことです。

保険会社は保険料の一部を運用し、その利益を、個人年金の受給額にプラスしてくれます。支払った保険料の総額よりも、受け取れる年金の方が多くなるよう設定されている商品が一般的です。

ただし早期解約してしまうと元本割れすることがほとんどですので、無理のない掛け金を設定することがポイントといえます。支払期間などの条件を満たせば、支払った保険料の一部を、所得控除に計上することもできます。

iDeCo

iDeCoとは、公的年金の上乗せ(3階部分)の制度です。iDeCoの主体は国民年金基金連合会ですが、申し込みの受付や口座の管理などは、証券会社や銀行などに委託されています。iDeCoの最大の魅力は、支払った掛け金の全額を所得控除に計上できることです。

つまり老後の資金を蓄えながら、現役時代の所得税・住民税の負担を軽減することができます。ただし受け取り開始年齢は、原則60歳からで、それより前に引き出すことはできません。掛け金は月額5,000円からで、上限は、公的年金制度の加入状況や、勤めている会社の企業年金の導入状況で変わります。

定期預金のような元本保証型の商品で安全に掛け金を積立てていくこともできますが、好きな投資信託を選び、運用するのもおすすめです。

積立など

その他、積立保険やつみたてNISAもおすすめです。積立保険とは、満期まで何もなければ、その保険金を受け取ることができる保険です。

満期が長いものや保険料の払込期間が短いものほど、返戻率が高くなります。
途中で保険の対象となる事故などが発生すれば、その分の保険金はきちんと受け取れるため、掛け捨てになることがありません。

つみたてNISAとは、専用口座内で行った年間40万円までの投資であれば、その運用益が非課税となる制度です。

一定額ずつ口座に入金しながら、自分のペースで資産を運用できます。
また、つみたてNISAは口座内の資金をいつでも引き出すことができるので、ライフスタイルが変化しやすい若い世代でも無理なく資産運用を続けられます。

まとめ:年金の不安はプロのファイナンシャルプランナーと相談しよう

老後の生活が、どのくらい長く続くかは誰にもわかりません。不安で考え込む前に、今できる小さな準備から始めていきましょう。ファイナンシャルプランナーに相談すれば、老後の資産をどのくらい確保しておくべきか、また、その資産を確保するための資金計画まで提案してもらえます。「年金がちゃんともらえるか不安」「老後の準備を始めたい」と感じたら、まずはファイナンシャルプランナーに相談しましょう。

この記事を執筆したカウンセラー紹介

小峰一真(こみねかずま)
2級FP技能士/証券外務員2種/住宅ローンアドバイザー| 明治大学政治経済学部卒業

大手国内証券会社、外資系保険会社を経て、前職では独立系FP事務所に創業から携わっていました。資金計画作成、住宅購入相談、資産運用、保険相談など全般的に得意で、セミナー講師も担当しています。趣味はゴルフと読書、スポーツ観戦(横浜Fマリノス、明治大学ラグビー部を応援!)です。

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