医療保険は加入するべき?気になる方へファイナンシャルプランナーが徹底解説します | ファイナンシャルプランナー相談はマネープランナーズ

医療保険は加入するべき?気になる方へファイナンシャルプランナーが徹底解説します

山内壮
  • マネー
  • 保険

このコラムを読んでわかること
#医療保険に加入すべき人とは?#民間保険と公的保険の違い

生命保険に加入していない方から、よく『医療保険への加入は必要でしょうか?』という質問を受けます。理由は、今まで入院したことがないから、毎月の保険料が負担に感じるから、と様々です。この記事では医療保険は加入するべきなのか、公的医療保険の制度の仕組みを含めて詳しく解説していきます。この記事を読むと、自分に医療保険が必要かどうかが分かります。

そもそも医療保険とは?
医療保険には、「公的医療保険」と「民間の医療保険」の2種類があります。「公的医療保険」は日本に住む全員が入らないといけないものであり、「民間の医療保険」は任意加入です。

上記の質問の医療保険は民間の話であり、任意なので必要・不要の疑問が出てくるのです。そもそも「民間の医療保険」(以下、医療保険)は、的医療保険では不足してしまう保障を自力で備える為にあります。では、公的医療保険の保障がどれ程あるのか、不足する場合はどのような時なのか、順番に解説していきましょう。

公的医療保険について
公的医療保険は、国民の健康に関わる負担を減らす制度です。公的医療保険の中でも代表的な制度に健康保険があります。病院に行くと、『保険証を出してください』と受付で言われます。保険証を見せることで、自己負担が1~3割になります。残りは健康保険が出してくれている訳です。ここまではご存知の方も多いと思いますが、実は健康保険の加入先が職業や会社規模で変わってきます。

・自営業者、無職の人など、その家族・・・国民健康保険 (国保)
・おもに中小企業の従業員、その家族・・・全国健康保険協会(協会けんぽ)
・おもに大企業の従業員、その家族・・・組合管掌健康保険(組合健保)
・公務員、その家族・・・共済組合

上記の中でも組合健保は自己負担をもっと減らすことができます。組合健保には「付加給付」があり医療費が100万でも200万でも自己負担が2万円で済む方もいらっしゃいます。まず医療保険を考える前に、自分の健康保険の加入先がどこか確かめましょう。

健康保険からの給付が結構あるように思えますが、場合によっては医療保険が必要になる可能性があります。では、何に費用が掛かってくるのでしょうか?

健康保険対象外の費用
入院や手術をした際、自己負担費用が「全額自己負担」の部分と「一部自己負担」の部分に分かれます。全額自己負担になる理由は健康保険の対象外の費用だからです。これは先述した「付加給付」の対象外でもあります。その費用は

・差額ベッド代
・先進医療

が代表例として挙がります。差額ベッド代とはいわゆる個室代のことです。病院によりますが、1人部屋だと費用は高く、大部屋だと安いです。しかし、ベッドが選べない状況もある為、個室は高いから望んでいないのに個室に入った方も少なくありません。

一日当たりの差額ベッド代の平均は6,188円です。

詳しくはこちら→厚生労働省「主な選定療養に係る報告状況(平成30年11月時点)」

また先進医療とは、高度な医療技術のうち、厚生労働大臣が認めた手術のことです。例えば、がん治療における重粒子線治療や陽子線治療などが挙げられ、重粒子線治療の費用は約300万になります。決して少ない金額ではないでしょう。これらの為に備える方も少なくありません。

先進医療について→先進医療の概要について

健康保険対象の費用
健康保険対象の費用は医療費になります。1~3割の自己負担で済むようになりますが、例えば100万円の医療費が掛かり、3割自己負担になったとしても、30万円払うことになります。

家計を圧迫して困ってしまうのを防ぐ為に、「高額療養費制度」というものがあります。この制度を使えば、より自己負担を軽減することが出来ます。
年齢や所得に応じて、自己負担額が決められています。たとえば、70歳未満・年収約370万円~770万円、医療費が100万円であれば、1ヵ月の自己負担額は87,430円となります。なので、病院の窓口で医療費を30万円支払ったとしても、この制度を申請すれば、限度額の87,430円を超えた分の212,570円が戻ってくる為、実際の自己負担額は抑えられることになります。

注意としては、この「高額療養費制度」は医療費にしか使えないので、差額ベッド代や先進医療、入院時の食事代には対象外になります。

医療保険を検討する場合は?
健康保険に加入していても、上記の費用の為に医療保険の加入が必要かどうかは、それぞれのライフスタイルや職業、貯蓄の状況によって異なり、一概に加入すべきである、不要であると言い切ることはできません。ただし、以下の状況であれば、検討した方が良いです。

①ライフイベントの発生
「就職したから、もう親には頼らずに自分のことは自分で備えよう」
「結婚したから配偶者に迷惑掛けないようしよう」
「妊娠する前に何が起きるか分からないから加入しよう」
という声は結構聞きます。これらの想いは非常に大切です。

②貯蓄に手を付けたくない時期
「貯蓄があれば保険はいらない」という意見もありますが、その貯蓄は何の為でしょうか?家を建てる前に病気になってしまい、貯めていた住宅購入費に手をつけたくないと思っている方、子どもや自分の老後の為に貯蓄をしていこう、と思っている方も、貯蓄に手を付けない為に加入することを検討しても良いかもしれません。

③健康なとき
保険は健康状態でないと加入ができないケースがあります。健康なときこそ加入のタイミングです。生活習慣病やガンのリスク上昇を意識し始めたら、もうご加入できないケースもあります。

まとめ
医療保険の加入を悩んでいる方は、この記事を読んで自分が本当に必要かどうか、お分かり頂けたと思います。これを読んで「医療保険が必要だ」思った方は、何故必要なのか、どれくらい必要なのかということを念頭に置いて、医療保険を選んでみると良いでしょう。

自分に合う医療保険は何があるのかご不明な場合は、一緒にライフステージを確認して、本当に医療保険が必要なのか、客観的な判断ができるFPに相談するのも一つの手だと思います。

この記事を執筆したカウンセラー紹介
山内壮(やまうちそう)
2級ファイナンシャルプランニング技能士/AFP/トータルライフコンサルタント

大手金融機関に通算5年間勤務した後、より多くのお客様と「家族のように」解決策を1つずつ大切に話したい、
という想いからファイナンシャルプランナーに転身。
自身も1歳の子供のパパとして子育てに仕事に奔走しています!

この記事を執筆したカウンセラー紹介

山内壮(やまうちそう)
2級ファイナンシャルプランニング技能士/AFP/トータルライフコンサルタント

大手金融機関に通算5年間勤務した後、より多くのお客様と「家族のように」解決策を1つずつ大切に話したい、
という想いからファイナンシャルプランナーに転身。
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