iDeCoのメリットをFPが解説

高村盛彦
  • 資産運用

iDeCoとは、公的年金の上乗せとなる私的年金のことです。将来の生活に備えられるだけでなく現在の節税にも役立つことから、メリットの多い年金制度として注目されています。今回は、iDeCoの概要や設立された背景、5つのメリットについて解説します。

iDeCoとは

iDeCoとは、20歳から60歳未満の方が任意に加入できる「確定拠出年金」です。
年金の受取り開始時期は、最も早くて60歳からで、受け取れる年数は5年以上20年以下の期間で設定することができます。
主体となる機関は国民年金基金連合会ですが、その業務を行っているのは、証券会社や銀行などになります。

iDeCoの最大の特徴は、一定の掛け金を拠出しながら、加入者自身でその掛け金の運用先を決めなければならないことにあります。
運用結果によって受け取れる年金額が変わるため、年金が拠出した掛け金の総額を下回る可能性もあることは知っておかなければなりません。
しかしながら、そのリスクを考慮しても十分に魅力的なメリットが、iDeCoにはあるのです。

iDeCoが設立された背景

iDeCoが設立された背景には、私たちの老後の不安があります。
平成29年の統計によると、日本の平均寿命は、男性81.09歳、女性87.26歳という結果でした。

参考:平成29年簡易生命表より
平成29年簡易生命表より

この結果から多くの方が、退職から20年に近い年数を、貯蓄や年金で送らなければならないことがわかります。
iDeCoは、国民年金や厚生年金といった公的年金に対して私的年金に区分され、公的年金の「上乗せ」として位置づけられる年金です。
どのくらい長くなるかわからない私たちの老後を、収入のあるうちに自分たちの手で安心なものにすることが、iDeCoの役割になります。

iDeCoの5つのメリット

それではiDeCoの5つのメリットをご紹介します。

掛け金が全額所得控除になる

iDeCoの最大のメリットは、掛け金の全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)になることです。
所得控除に計上することによって、個人所得を基礎に課税される所得税・住民税を節税することができます。
たとえば、給与年収500万円の方が毎月2万円(年額24万円)でiDeCoに掛け金を支払った場合、1年間で節税できる額は、所得税・住民税を合わせて、年4万8,000円(※)が見込まれます。

(※)iDeCoの以外の所得控除を社会保険料控除と基礎控除のみとし、社会保険料を収入の14%と仮定して計算しています。

受け取り時も優遇されている

iDeCoの受け取り方法には、年金、一時金、年金と一時金を組合せて受け取るといった方法がありますが、どの受け取り方でも税制の優遇措置があります。
年金で受け取った場合は雑所得(公的年金等)として公的年金等の控除額を受けることができますし、一時金で受け取った場合は退職所得として退職所得控除額を受けることができます。
これによって、受け取り時の課税負担も大きく軽減されます。

運用益は非課税

通常の投資で得た運用益には20.315%の税金がかかりますが、iDeCoの運用で取得した運用益は非課税です。
掛け金や運用益を途中で引き出すことはできませんが、運用益を全て次の投資に充当することができます。

掛け金を選べる

iDeCoの掛け金は毎月5,000円から1,000円単位で設定することができ、一定の期間ごとに見直すことができます。掛け金の限度額は、国民年金の加入区分と、会社員などの方は勤め先の企業年金の加入状況に応じて変わります。

 

国民年金の加入区分 月額上限
第1号被保険者

(自営業の方など)

月額6万8,000円
第2号被保険者

(会社員の方など)

月額1万2,000円

月額2万円

月額2万3,000円

第3号被保険者

(専業主婦の方など)

月額2万3,000円

投資経験のない加入者への配慮も

平成30年5月から導入された「指定運用方法」では、加入者が一定の間に投資商品を選択しなかった場合、各機関が長期運用向けに選んだ指定商品を、その加入者の投資先とするようになりました。
このことにより、それまで投資経験がなく、何を選んだらよいかわからなかった方も、iDeCoに取り組みやすくなったといえます。

まとめ

iDeCoの最大のメリットは、優遇された税制にあります。
そのため、投資でハイリターンを狙う必要はなく、節税メリットを最大限に享受できるようリスクの少ない投資が理想的といえます。
中には元本確保型となる定期預金タイプの商品もあるため、リスクを負いたくない場合は、こうした商品の選択も可能です。
どのようなiDeCoの運用方法がよいか、またご自身のライフプランに合った掛け金はいくらかなど、iDeCoのメリットを最大限活用するために、ぜひFPに相談してみましょう。